西荻窪人物図鑑

西荻人①:靴のオーダーメイド工房~靴を磨いて人生が変わった

  • 西荻窪には個性的な小さなお店が多く、そこの店主も魅力的だ。ときどき訪ねて、根掘り葉掘りと聞くシリーズ

なぜ、靴磨きだったのか?

天草製作所はオーダーメイド靴と修理をする工房で、代表の西森さんは、自分で起業してみたいと始めたのが、靴磨きだった。

「当時、一番やりたくない仕事だったからです。」と笑いながら当時を振り返る西森さん。それまでは、華やかな広告業界でバリバリと働いていたのだ。


「起業というジャンプをするためには、しっかりしゃがむことが大事だと考えましてね、そのため真逆のことにトライしようと思ったんですよ。」

「最初は、恥ずかしいし、なかなかお客さんが来ないしで、鳴かず飛ばずでしたよ、靴磨き。」と西森さん。

しかし、やっていくうち、どっかカッコつけて偉そうな自分が崩れ落ちていくのを感じ、フラットな自分に変身していくのが清々しいと感じたそうだ。

さらにマーケティング志向で、靴磨きを必要とする人は、いったい誰かと考えた。そこで閃いたのが、歌舞伎町のホストクラブで、さっそく挨拶にうかがうと、靴を磨かせてもらった。

「本当に嬉しかったですね。さらに他のホストさんも紹介してもらい、顧客が増えていきまして、感謝しかないですよ。」とほほ笑む西森さん。

西森さんは、靴への興味がどんどん増し、革靴の職人になりたいと夢が膨らんでいった。そこで、靴づくりの学校に通い、技術を身に着け、さらに武器が多いほうが良いと修理の技術を身につけるために、専門のお店で修業したそうだ。

現在は、西荻窪に2店舗、新宿歌舞伎町に1店舗を持つオーダーメイドの革靴屋を営んでいる。修繕はもちろん、靴づくりの学校も始めていて、生徒さんが、遠くからも通ってくるそうだ。現在のスタッフ8名を率いている。

決して順風満帆なわけではなく、しんどいことも多かったという。

「最後には、絶対にうまくいくという信念がなぜかあって、そんな自分を俯瞰して見ている自分がいるんですよ。それこそ、ドキュメントなんかだと、壁にぶつかって苦労しているほうが見応えあるじゃないですか。だから、苦労している自分をどこかで楽しんでいるかもしれません。」と西森さん。

まだまだ新しい取り組みをしたいと西森さんは言う。

オーダーメイドの靴は、サイズを測ってしっかり作るため、お値段もそれなりにして、いろいろな想いの方がやってくるそうだ。

住所:東京都杉並区西荻南2-7-5 1F

https://www.amakusafactory.com/

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pkono@konocafe.net